嘉田さん、大丈夫ですか?

 1.5極の不安定さが早くも露呈したのだろうか。「日本未来の党」の嘉田代表が「安全性担保なら原発再稼働容認」と口走ったらしい。報道の断片しか見ていないので、その言葉の真意までは図りかねるし、選挙を間近にどんな戦術・戦略を考えての発言なのか分からないが、しかしどんな理由があるにせよ「原発容認」を軽々しく口にしてほしくない。

 「日本未来の党」を立ち上げた途端、嘉田さんの背後では様々な力関係が蠢きはじめたと想像はいくらでもできる。彼女の周囲で、足の引っ張り合い、スキャンダルの探り合いなど、ドロドロ部分が吹き出しつつあるのだろう。

 ところで、全国の知事さんの名前や業績など皆覚えられるはずはなく、せいぜい数人の名前しか私は知らないが、その数少ない知事さんのひとりが滋賀県の嘉田知事だ。過去いつくかの目立つ業績を残し有能な知事というイメージが嘉田さんにはある。彼女の雰囲気や言葉遣いなどで私はそれなりの魅力を感じている。だからこそ「日本未来の党」には危うさは付き纏うとはいえ期待する部分もあり、なんとか嘉田さんには踏ん張ってほしいのだ。

 東京都世田谷区の区長になった保坂展人さんは就任時「95%は変えない、ただし残り5%は確実に変革したい」と述べたそうだ。普段から、やる気を全面に出し、どんなに理想を掲げようとも、実際の現場に立ち向かえば確実に変革できるのは全体の5%程度なのだ。それほど現実は厳しいわけで、それでもたった5%でも変革できるなら、それが10%、20%と改革の道へ繋がるはずである。

 日本全体を俯瞰したとき、たった5%であっても、その5%に原発行政は入っているのだ。原発行政を変えられずに日本の未来はない。段階的な脱原発など、それこそいつまでも原発は稼働しつづける。原発廃炉を目指さなければ、脱原発への道は歩めないし原発から卒業もできない。

 最近の政治家たちの軽々しい言葉にはウンザリだが、同時に言葉尻を捕まえ貶めようとするマスコミの姿勢にも辟易する。私たちも短期間で一喜一憂せず慎重に構えたいが、とはいえあまり悠長にしてもいられない。総選挙まで後二週間ほどに迫っている…。