変化は生きる活力

 人間は慣習を続けたがる傾向がどうしてもあり、その一番の理由は楽だからに違いない。だが、その慣習にいつまでも浸ろうとするのは非常にマズイ。人間がより良く生きるためには変化が絶対に必要だからだ。

 変化の乏しい同じ生活を毎日繰り返すと、自分はしっかりしてキチンと生きてるつもりでも、側から見ると、その人からはだんだん精気が失われ、魅力を感じなくなる。老いは早まり、その人の寿命は確実に縮むんじゃないか。

 経済的な理由から旅行や引っ越し等、日常での大きな変化は無理としても、身近な所から変えることはいくらでも可能である。例えば、特定の店にこだわるのではなく新たな店を開拓するとか、いつもの道を外れて違った道を歩いてみるとか、椅子や机を配置換えして部屋のレイアウトを刷新するとか。

 決められた時間と狭い空間に固執するのではなく、それらを超えて自在にコントロールできる柔軟さが求められる。

 繰り返すが、いつも歩く道、いつも通うスーパー、いつも口にする食べ物、昨日も今日も明日も似たような毎日。この型にドップリ嵌ってしまうと、老化は一気に進むのは間違いない。問われるのは肉体的より、むしろ精神的な老化である。

 大それたことなどしなくても、若さを維持するために、何事に対してもちょっとした変化を試みることが肝心だとつくづく思う。勇猛果敢にならずとも、人生は変えられる。小さな変化で心身にそれなりの刺激を与える、それだけで活力が生まれてくる。