30年先が分岐点?

 4月27日(木)の北陸中日新聞朝刊一面には「50年後の日本の人口8700万人」との見出しがデカデカと記載されていた。2020年の人口が約1億2600万人、2070年の人口が約8700万人、50年後は日本の人口が約3分の1まで減少するという。

 少子高齢化を憂い、経済活動が衰退し、人材難や財政不足から未来の日本社会の危機を訴える記事内容だったが、しかし肝心な視点が決定的に欠けていると私は思った。それはテクノロジーの発達という視点である。

 50年後の日本社会が具体的にどうなるのか、それは誰にも分からないだろう。人口減で街の繁栄は消え、田舎は荒れ放題になってしまうかもしれない。科学技術の進展を無視すれば確かにそうなる可能性は高いが、人型ロボットやアンドロイドが未来社会で活躍していることは十分想像できる。

 私は人口減をそれほど心配していない。50年後、街中を3~4人に一人は人工知能を搭載した人型ロボットが普通に歩いている。人間と機械が共存する未来社会が訪れるのは時代の流れ、そのための新しい法律を確立し、社会発展を目指すべきだ。

 団塊の世代が75歳を超え後期高齢者に入る2025年前後から先10~25年の間、日本は相当辛くなるのは確かだ。デタラメなマイナンバーカードの強制も影響するだろうし、きな臭い台湾問題もどうなることか。社会全体に不安や恐れが充満しそうである。

 ただ、30年ほど過ぎた辺りから様相は一変するかもしれない。テクノロジーの発達を上手く活用すれば、日本の人口減の問題も、海外からの移住者は増加するし、高性能ロボットの普及も手伝い、環境改善はいくらでも図れると思う。

 繰り返すが、問題は肥大化したままの団塊の世代後期高齢者の領域に入ってからの、まさにこれから10~25年間をどのように克服してゆくか。最も深刻なのは介護の問題で既に人出不足になっており、下手すると言葉は悪いが「街中はゾンビだらけ」ともなりかねない。

 整った介護を受けられるのは一部のお金持ちだけ、認知症を含めた大勢の身体不自由者は途方に暮れ絶望するしかない。まだその時点で人間に代わる介護ロボットの普及は間に合わない。結局、急激な身体の衰えを遅らせる健康術を各自が持たない限り生き残れないということだ。