子供たちへ

 8月が終わり、9月が始まった。一気に秋が深まり涼しくなると思っていたら、先週から今週にかけクソ暑い夏が復活、金沢では真夏日どころか36℃の猛暑日を記録した。原因は予期せぬ大型台風11号の影響による南風が吹き込んだから。台風が過ぎ去る今週半ばまで暑さはつづくだろう。

 ところで8月31日は一年で一番子供の自殺数が多い日。新学期を前日に控え、学校に行きたくない気持ちは私もイヤというほど分かる。イジメの問題も深刻だし、大量の夏休みの宿題も負担になってる。

 日本は4月が新学年のスタートだが、9月スタートにすべきと前々から思っている。大量の夏休みの宿題なんか無くなるし、新学年のクラス替えで心もリフレッシュできるはず。少なくとも8月31日の自殺者は大幅に減るに違いない。

 今年の9月1日は朝から雨、しかも木曜日なので町内会の班長である私はゴミケースを準備せねばならず、起きてすぐ雨ガッパに着替え指定の場所に設置した。一番嫌な朝の迎え方だったが、全国の多くの小中高生たちは朝からこんな雨の日に新学期を迎え、もっと嫌だっただろうと思う。登校拒否したくもなるさ。

 登校拒否だけならまだしも、自殺にまで追い込まれるとしたら大変だ。しかし、現実にはかなりの数の生徒たちが自ら命を絶ってるのは事実。私の学生時代も学校は全然好きじゃなかったが、登校拒否したことはない。

 登校拒否にまで至らなかったのは私が個人的に強かったからではなく、じつは好きな子が同じ教室にいたから。片想いの好きな子がいて、勉強も運動もまるでできなかった私なのに、その子に会いたくて学校へ通っていた。本当にただそれだけの理由で学校に通っていた。

 人を好きになるのはとても良いこと。だから私は子供たちに訴えたい。たとえ周りからシカトされようと、異性・同性を問わず誰かを好きになってほしい。片想いで一向に構わない。誰かを好きになるだけで毎日の励みになるし、生きる勇気が湧いてくる。

 生意気なことをついでに言わせてもらう。おとなしく目立たず勉強も運動も下位、それで居るのか居ないのか分からない子はどの教室にも何人かいるが、そんな子に限って将来魅力的な大人になり重要な仕事を成し遂げたりする。逆に、勉強も運動もできて目立っていた子などは意外にもつまらない先行きのない大人になっていたりする。

 現実社会は不公平が蔓延してるとはいえ、うまくできてるなぁと思わせる部分があるのも事実。微弱だが見えない力が人間世界には働き、なんとか釣り合いを取ろうとしてるような気がしないでもない。