似たもの同士

 中国が台湾を自国領土として統一したがっている。これは、日本の自民党が党是として憲法改正(改悪)しようとするのに似て、何がなんでも力ずくでもそれを実現しようと企むが、現在それを図ることは非常に危険で物騒で、私は中国の姿勢には大反対だ。

 中国政府にとって台湾は言語も民族も基本的に同じだから一つになるのは当前、との強い意志があるようだが、しかし統一したいのであれば、武器を用いる暴力的なやり方は絶対にダメだ。台湾の方から統一を願い出るような状況を作らない限り無理で、中国が自由で平等で民主的な国家になることが第一条件である。

 現在の中国共産党は国家資本主義の下、権威を振りかざす全体主義そのもの、自由や平等、民主的な雰囲気からはほど遠い。新疆ウイグルチベット、そして香港、これらへの中国政府の取り組みは最悪、同じやり方を台湾に適用するなら、中国はいずれ必ず滅びる。

 嗤ってしまうのは、日本の極右陣営。HanadaやWillや正論等の月刊誌はやたら中国を批判するが、安倍晋三を中心とした自民党タカ派勢力や追随する政党、それらの番犬のような右翼評論家など、じつは日本を中国のような体制にしたくてしょうがないらしい。

 天安門事件ひとつをとってみても、中国はまるでそれが無かったかのように情報統制し、中央政府の方針を常に正当化しようと試みる。日本の右派陣営も関東大震災における朝鮮人虐殺、それに続く南京大虐殺従軍慰安婦をまるで無かったかのようにしたがる。

 まったく中国も日本も五十歩百歩で似たもの同士。中国や日本に限らないが、民主主義は口先だけで内実は権威主義や独占主義が蔓延るようでは、そんな社会に未来はなく、いずれ坂道を転げ落ちるように衰退してゆくだろう。