歌謡の名曲

 YouTubeが開始されたのは2005年からだ。すっかり世の中に浸透しているので、もうずいぶん昔から人々に利用されているような錯覚を抱くが、まだ10年も経っていない。

 最初の頃は画質や音質は今ひとつだったのに、最近のYouTubeときたら格段に進歩して高画質・高音質となった。私はYouTubeで常に動画や音楽を楽しんでいるわけではないが、ときどき思い出したように利用している。私の場合は音楽で、特に若い頃に耳にした曲を邦・洋を問わず検索しながら聴いたりする。

 とにかく凄まじい。YouTubeではありとあらゆる音楽が検索できるといっても過言ではなく、時間を忘れて聴き入ってしまう。

 いろんな懐メロが瞬時に検索できて、しかも高音質で聴けるのだから、こんなありがたいことはない。現状の政治・経済はデタラメで気が滅入るのに、一方、YouTubeの存在だけでもインターネットの進歩には感謝したくなる。

 クラシック、ジャズ、ロック、サウンドトラック、ムード歌謡、フォークソング…と私は音楽に関しては何でも聴く(特にジャズは好きだが)。若い頃はアメリカやイギリスのポップスが中心だったが、年を重ねて日本の歌謡曲も聴くようになった。

 世界中に名曲はあるが、日本の歌謡曲も負けてはいない。私の好きな日本歌謡の名曲を三つほど紹介したい。

 1)花街の母(金田たつえ)、2)思案橋ブルース(中井昭・高橋勝とコロラティーノ)、3)ふるさとのはなしをしよう北原謙二)。この3曲は日本歌謡における傑作中の傑作ではないだろうか。情感たっぷりのメロディと歌詞は何度聴いても飽きることはない。

 そしてもう一曲、朝鮮民主主義人民共和国の楽曲で、フォーク界で一世を風靡したフォーク・クルセダーズが歌う「イムジン河」。これは聴くたびに泣けてきて、南北朝鮮が平和的に統一され、自由と平等と民主主義が確立されることを願わずにはいられなくなる。

 それにしてもなぁ、YouTubeのおかげでCDの売上げが激減したのもうなずける。IT技術を中心に時代はめまぐるしく変わってゆく。