「Go To トラブル」と東京差別

 「Go To トラベルキャンペーン」が始まったが、これは「Go To トラブル」で火に油を注ぐようなもの、まさに「新型コロナ全国感染拡大キャンペーン」に他ならない。

 二週間後、そして一ヶ月後にどうなるか誰もが想像できるはず。最悪の事態を招きかねないのになぜ始めたのか(大手旅行会社がキャンペーンを促すため、自民党二階俊博幹事長に巨額献金したことがそもそもの発端だったのは周知の事実)。受け入れるホテルや観光地も、出かけたがる一般の人々も、自分だけは大丈夫と勝手に思い込んでるのか。 

 若者を中心に無症状者や軽症者が多く、重症者は少ないから大丈夫との意見は論外。感染者が増加すれば重症者も増加するのは当たり前。医療崩壊はすぐ目の前に迫ってる。

 その「Go To トラベルキャンペーン」、間際になって東京が除外されたが、これは明らかに東京差別であり、こんな方策は間違っている。「Go To トラベル~」の是非は別として、地区や地域で線引きしてはならず、あくまで個人単位で判断すべき。県外ナンバーの車に傷をつけたり、自粛警察がのさばるなど本当に情けない。

 要は、新型コロナに感染した人は治療に専念すべきだし、そうでない人は安全な場所へ好きなだけ外出すればいいだけのこと。感染してるかしてないか、それを判断するためには徹底して検査するしかない。どこでも気軽に自由に誰もが検査できない日本の脆弱な現状、それこそが大問題だ。

 東京除外のような方策は肝心な検査体制の不備を覆い隠し、人々の関心を体制批判から逸らすことにある。人種や民族、宗教や国家、それらに線引きして対立を煽り、失政だらけの為政者が人々の関心を外に向けさせ、なんとか自分達の権力を維持したがるのと同じ構造だ。

 ところで、もし新型コロナウイルスが世界中に蔓延してなければ、今頃は2020東京オリンピックの最中、おそらく日本中が大騒ぎしていたことだろう。私はオリンピックの現状に批判的だから、かなり白けてたに違いないが…。結局それはちょうど一年後に延期されたが、新型コロナの感染拡大傾向を見る限り、来年開催もほとんど無理と思う。