サバイバル

 「8050」に要約され、中高年の引きこもりが大きく注目されてる。これまで15~39歳までの若い世代だけしか統計がなかったのが、40~64歳まで拡大すると61万人もの引きこもりが増加、親の貯蓄と年金に頼るしかない実態が明らかとなり、親と死別した後彼らはどうなるのかという深刻な問題に直面することになった。

 実際の数はもっと多いいんじゃないだろうか。社会と断絶してることが引きこもりの定義とするなら、定年退職後、一人暮らしをしてる高齢者の多くが当てはまるかもしれない。なんとか一人で毎日生きてはいるものの、話し相手はほとんどいないし、家に閉じこもってるような状態の高齢者は、側から見ると引きこもりの一人として認識されてもおかしくない。

 世間からほとんど断絶して生活するような高齢者(高齢者に限らないけど)は、だから引きこもりのように見られても仕方ないが、しかし厳密には違うのだろう。少なくとも、身の回りのことを一応自分で処理できる人は引きこもりではない。

 引きこもりであるかないかをどこで判断するかは、自立と自律ができてるかどうかにある。毎日生活する上で一通りのことができるなら、世間と断絶し一人暮らしであってもそれは引きこもりではない。

 とはいえ、決して安心するわけにはいかず、もし、何かのきっかけで投げやりな生活をし始め、家の中が少しずつ散乱し始めたら要注意だ。自分を放棄、家がゴミ屋敷になると、後は悲惨な孤独死が待っている。

 いつ社会が崩壊してもおかしくないと思う。それを覚悟して生きなければ。溜め込んだカネなど一瞬にしてただの紙屑になるかもしれず、そのとき頼れるのは我が身だけ。そうなった状況を想像しつつ、それでも生き延びることを今のうちから考える。身体を鍛えよう、健康を維持するだけでなく知識も蓄えなければ、そして、周りの余計な物を処分して身軽でいることだ。