長寿社会を見据えつつ

 とうとう12月を迎え、今年も残すところ一ヶ月。それしにても時間の経つのは早い。「いったい私は何をしていたのか…」と毎年この時期になると同じ感慨に耽るが、その思いがだんだん強くなるのは年を重ねたせいかもしれない。

 年を重ねれば残りの人生は反比例して短くなる。しかし医療の進歩で平均寿命は確実に延びることは間違いなく、かつての「老後」のイメージを抱くことは難しくなった。今後「人生100年」が基準となり、誰もが生活設計を見直さざる得なくなるだろう。長寿社会とAI の進化が融合した社会変化は、ある意味とても興味深い。

 長寿社会を生きるには身軽になった方がいいし、生活環境は汚いよりキレイな方がいい。だから相変わらず身の廻りを少しずつ片付けてるが、実際いろいろお宝が発見できて面白い。まだ開けてなかった箱の中にはオシャレな皿が眠っていたり、押入れの奥からは一度も着たことのないコートが見つかったりする。

 最近一番うれしかったのは、台所の奥に密閉された甕が眠っていて、いったい何かと訝しがっていたので開けてみたところ、なんと梅干しが大量に漬かっているのを発見したことだ。この甕はおそらく10年以上開閉されたことはなかった。さっそく食べてみたが、市販の添加物だらけの梅干しなどよりはるかに美味かった。

 「物」を眠らせておくのはもったいない、どんどん利用しなければ。そして無駄な出費は極力避ける。日常生活で本当に必要な物、使うことなどまずない物、それらを仕分けし整理しよう。

 昨日の日曜は朝から青空が広がり、とても暖かかったが、こんな日は貴重で、時間を大切にしつつ、一日を有効活用したいとつくづく思った。明るい日差しの下、散歩せずにはいられず、近所の河川敷をいつもより長めに歩き、気持ち良さを満喫。長寿社会に思いをめぐらしつつ、何処までも歩きつづけたかった。