政治の流動化

 世界中で政治の流動化が進んでいるようだ。欧米ではこれまで保守と革新(右派と左派)、すなわち二大政党制がほぼ維持されてきたが、それらの構造が大きく変わろうとしている。

 米国では共和党にも民主党にも嫌悪を示す層がかなりいて、おそらく全有権者数の1/3がそうではないかと思われる。だからこそ、去年の大統領選でトランプやサンダースが注目された。

 大統領に当選したトランプは全くダメだが、民主党左派サンダースと緑の党のジル・スタインが共闘し、米国でリベラルの第三勢力が形作られるなら大いに期待できる。フランスではマクロン共和国前進という全く新しい政党が大躍進した。

 肝心の日本では、デタラメ安倍政権は相変わらず強いとはいえ、それでも安倍一強の終わりの始まりの兆候は見える。安倍首相への評価も「他に適当な人がいないから」がダントツとは、なんとも情けない現状ではありませんか。

 さて、国政にも影響を与える東京都議選がスタート。直前に小池百合子都知事が築地の豊洲移転問題でようやく決断したが、「築地を守り、豊洲を活かす」とは要するに、築地派と豊洲派の両方に良い顔を見せたということ。築地を再開発、5年後には豊洲から戻すという話もあり、果たして今後どうなるか、ハッキリしない点がまだまだ多い。

 しかし、小池百合子都民ファーストの代表として、間近に迫った都議選で圧倒的存在感を示そうとしていることは確か。自民党に勝利し、都民ファーストが第一党になるかもしれない(私は都民ファーストなんか全然支持しないけど)。

 さらに、小池百合子の野望はおそらく総理大臣の椅子だろうから、今後、都議選で勝利した勢いを全国に展開させることは間違いなく、大阪ファースト、北海道ファースト、九州ファーストなどが誕生するだろう。

 東京都知事で4年間務めを果たし、その後の総選挙で勝利、自民党に代わり「国民ファースト党」が日本の政治を支配するというわけだ。フランスのマクロン大統領率いる共和国前進党をモデルにしてるのじゃないか。