何のために生きるか

 自ら生まれてきた人間など一人もおらず、人は誰でも他力によってこの世に放り出される。そして放り出された瞬間からどんな人でも、他者から、そして世間から様々なことを一方的に擦り込まれる。

 この擦り込みこそが「マインドコントロール」と呼ばれるものだ。つまり人間は最初からマインドコントロールされながら生かされてしまうということ。そしてそのまま一生を終える人々も多くいるに違いなく、残念ながら、そのような人生はつくづく不幸であると思う。

 では幸福な人生とはどんな人生かと言えば、「マインドコントロール」から解き放たれ自由に生きられるということ。解き放たれた時、その人の意識は180°変るはずである。「そうだったのか」と気づき、過去を清算、未来へ新たな一歩を踏み出せる。

 思い込んでいた…正確には思い込まされていた、そんなマインドコントロールにも強弱があり、様々な範囲に及ぶ。大きく広く人生全体を包み込んだりするし、細かな専門分野の領域だけの場合もある。

 人は毎日を生きながら、身近な領域に対しはもちろん、自らの人生全体を振り返りつつ、疑問を抱いてみることが肝心。これは本当なのか? これは正しいのか?他者からの情報のみを鵜呑みにしていないか?

 他者から与えられたものはそれだけではあまりに不完全、それを確証するためには自分で検証しなければならない。検証の仕方はいろいろ、見る、聞く、読む…そして感じる、考える。するとある時、これまで閉ざされていた視界が突然開き、驚きそして納得するだろう。気持ちが高揚することは間違いない。

 「マインドコントロールからの解放」と「個人の確立」。身の周りから世界の動向まで、さまざまな経験・体験、出来事から、個人の自由と平等、そして安心と安全について、学び、思考し、行動できればいい…最期まで。