トランプ大統領誕生と、これから…

 20日(日本時間21日未明1:00〜)、いよいよトランプ氏が米国の新たな大統領に就任する。この日を境に世界は大きく転換するだろう。人々にとって良い方にではなく、真逆の悪い方へと。大統領に最もふさわしくない人物が大統領になるという皮肉。まさに世界の現状、現在の人類の知的レベルが表出したわけだ。

 だが、以前にも書いたが、トランプ氏は任期の4年は維持できない。おそらく2年ほどで失脚する。彼の基盤はあまりに脆弱で、ロシアにスキャンダルを握られ、それが表に出た時点でアウト。アメリカ人が選んだ大統領ではなく、ロシアが作った大統領、それがトランプ氏で、ロシアの操り人形と化す恐れがある。

 もし彼が4年間の任期を全うできたなら、これこそまさに最悪。格差・差別は増幅し、世界は危機的状況に陥るかもしれない。なによりロシアの傀儡として、米国はロシアの支配下に入る。米国だけでなく、日本を含め、世界はプーチンの思うがまま。結局、冷戦終結後、真の勝者はロシアのプーチンになるわけだ。

 トランプ米国新大統領の就任前記者会見を見聞したが、自分勝手言いたい放題、それは酷いものだった。ヒトラーと同様、決して政界のトップになってはいけない人物であり(彼だけではないが)、米国の良識は20日の就任前までに弾劾し彼を失墜させるべきだった。

 いつの時代でもお偉いさんに媚びを売り、自分だけ得しようとする輩はいるが、本当に情けないと思う。このままトランプが米国大統領として権威を振りかざす期間、世界はどうなるのか、試練の時代の始まりと覚悟しなければならない。

 ヒトラーは20世紀の映像文化を最大限利用して大衆を洗脳したが、インターネットの時代、トランプもツイッターなどSNSを駆使する。似てるといえば似ているがソックリ同じではない。インターネットは双方向性で単なる一方通行の映像とは違う。インターネットの価値が試される時期ともなる。

 おそらく最初の三ヶ月、あるいは半年、長くて一年くらいは、経済分野で期待が膨らみ順調に進むかもしれないが、しかし、やがて矛盾に陥り、期待は完全に裏切られる。その後、トランプの思った通りにはいかず、米国は大混乱するだろうが、しかしそれが世界中に悪影響を及ぼすから他国には大迷惑なのだ。

 繰り返すが、仮にトランプ政権の方策がうまく回転し、4年間の任期を全うでき、これまでの白人貧困層が仕事を得て富を蓄えることが出来たとしよう。そして、まさに米国が世界で一番の「偉大な国家」として君臨できたとしよう。しかし、それこそ米国以外のほとんどの国々は貧困に喘ぎ、世界中で格差・差別は益々拡大する。自分たちの生存権が奪われる、そんな現実世界になることも肝に銘じておかなければならない。