健康寿命

 暑い。11(土)と12(日)両日の気温は30°C超えで真夏のよう。ガマンできず扇風機を出した。昨年も6月上旬に扇風機を出したが、こんなに早く扇風機のお世話になるのはこれで2年連続。昨夏は8月中旬以降急に涼しくなり、秋が早めに訪れ助かったが、今年は猛暑がかなり長引きそうで要注意だ。

 年を取ると共に体力が衰えるのは当たり前で、ヤセガマンすると残り少ない人生をさらに短くするだけ。誰だっていつまでも若くありたいと思うだろうが、時間は決して逆転してくれない。

 とはいえ「健康で長生きしたい」は多くの人が望むところ。だから私たちは平均寿命が延びることをついつい喜んでしまいがちだが、でも本当に素直に喜んでいいのか。

 「平均寿命」ばかり目立つが、それとは別に「健康寿命」がある。2015年時点で、日本の平均寿命はおよそ女性が87歳で男性は81歳。ところが健康寿命となると女性が74歳で男性が71歳。それぞれ13歳と9歳も下がる。

 2000年にWHO(世界保険機構)が提唱した健康寿命とは「日常的・継続的な医療・介護に依存しないで、自分の心身で生命維持し、自立した生活ができる生存期間」というから、平均寿命ではなく、じつは健康寿命こそを基本に考えるべきだ。
 
 今現在、日本には100歳以上の超高齢者が6万2000人近くもいるらしいが、果たしてそのうち健康寿命で生きているのは何人くらいだろう。数えるほどしかいないかもしれない。

 多くの高齢者は介護施設に入居したり、自宅で寝たきり状態のまま同居者が世話をしている。平均寿命には、他者の世話になりながら「生かされている年数」が相当加算される。その事実を自覚するなら、平均寿命が延びることにあまり喜んでばかりはいられない。繰り返すが、重要なのは健康寿命だ。