地図が読めない?

 先日、北陸新幹線が開業し、各テレビ局で特集番組がいくつか放送され、石川県が注目されるようになった。たまたまある番組で、都内で暮らす一般の人々に影絵になった日本地図から石川県の位置を確認してもらっていたが、50人ほどに試みた結果、正しく指摘できたのは17人しかいなかった。

 石川県が日本のどこにあるか知っている人が50人中17人? たった3分の1。これにはちょっと驚いた(能登半島でかなり目立つと思うけど)。自慢じゃないが(自慢するほどのことじゃない)私は全国47都道府県の位置と県庁所在地くらいは分かる。

 ただ冷静に考えるなら、こんなものかなぁとの思いもする。以前にも、誰もが知っている観光地がどこにあるのか確かめるゲームのような番組を見て、富士山や琵琶湖を正しく示せない人を見たときは本当にビックリした。なんと、富士山を近畿や東北に、琵琶湖を日本海に指した人がいたのだ。いくらなんでも富士山や琵琶湖の場所くらい日本人なら誰でも知っているはずと思っていたので…。

 実際、名称は知っていても場所が分からない人は意外と多く、例えば鳥取と島根、長野と岐阜、栃木と群馬と埼玉などの位置関係を把握している人はむしろ少ないかもしれない。

 グーグルアースやマップをはじめ、インターネットで世界中を検索できる時代になったとはいえ、見て調べる作業をしなければ確かなことは知りようがなく、IT機器がいくら進歩しようと、知らない人はいつまでたっても知らないままだろう。

 自分ではあたり前で簡単なことでも、人によっては特殊でとても難しいことがいくらでもあり、そのひとつに地図を読むことも含まれるが、地図に関しては疎いよりも詳しいほうがいい。地球は狭くなった。遠く離れたところで起きたことも直接影響を被る時代になり、地図を見たり調べることで国際感覚が少しでも研ぎ澄まされると思うから。

 私は特に地図に強いわけではないが、見るのは好きだ。世界どころか日本国内の旅行すら夢また夢の現在の私である。地図を眺めて貧乏人の慰めとしたい。