独裁は滅びる

イスラム国」による日本人人質事件は最悪の結果を招き、外交の失態から安倍政権の支持率が下がると思いきや、逆に上昇するとは。いったいどうなってるんだと情けなくなるが、大手メディアの不甲斐なさとともに、これは国民がマインドコントロールされているなによりの証拠。

外交だけでなく、安倍政権の政策は何もかもが庶民を不幸のどん底へと導くものでしかないのに、諸外国に比べ日本はまだマシだから「まあいいか」くらいの気持ちを国民の多くが抱いているからだろう。

イスラム国の影響力が及ぶ中東地域や政情不安なアフリカ諸国に比べれば、確かに日本はマシだが、しかし問われるのは常に方向性でなければならない。

ところで、恐怖と暴力で支配しようとする超過激的なイスラム国など崩壊するのは時間の問題だと思う。おそらく主義主張の微妙な路線対立が亀裂を深くして内部分裂することは間違いない。1970年前後に革命を標榜しながら破滅した日本の連合赤軍のようになる。比較対象としてイスラム国と連合赤軍とではあまりにスケールは違うが。

同様に北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の崩壊も時間の問題かもしれない。世間を見渡してもだいたい世襲の三代目で潰れることが多い。世間知らずで批判を受け付けようとしない権力は必ず滅びる。安倍首相は批判されることを嫌がり、恐れ、気に食わないとすぐキレまくり、人物として器が極小でまったく魅力がない。

逆説的だが、安倍政権が維持できているのは、まだかろうじて一部の批判勢力が健全に機能しているからだ。たとえ僅かでも批判が健全ということ、それはすなわち民主主義がまだ生きている証である。批判を封じ込めようとするならそれは独裁そのものとなり、一直線に堕落・崩壊へと突き進む。

日本の未来に展望が開けるのか、それとも崩壊の道を進むのか、それは電波や活字を通して公に権力批判がきちんとできるかどうか、民主主義が試される岐路に日本は立っている。