アベコベミクス

 アベノミクスの実体がアベコベミクスであるとは既に多くの人が指摘してるけど本当だな。だって、インフレになって給料が上がるどころか下がりつづけるなら庶民の生活は苦しくなるばかり、景気が良くなるはずがないじゃないか。3年後に給料が上がる? よくもまあ、こんな無責任なことを口にできるもんだ。まったく新自由主義者の経済評論家はいい加減、いや悪い加減だ。

 景気が良くなればボーナス(一時金)がたくさん出る? 冗談ダロー、不安定なボーナスなんか当てにできっこない。生活設計するためには、生涯賃金や退職金に影響する年間のベースアップこそが重要なんだ。それが確実に上昇しなければ会社員の給与は安定しないし、安心して消費に回せない。そもそも就業者の40%近くが非正規社員で年収200万以下が1000万人以上、この人たちの財布が豊かにならない限り景気浮揚などありえない。

 ところでオレは、国民年金を収め終えたら掛け捨ての地元の共済保険に入るつもりだ。一番安くて、しかも総合保障型の「入・退院から死亡まで手厚く保障」というやつ。月2000円だからオレのような貧乏人は助かる。共済制度は儲けることが主眼ではなく、あくまで相互扶助が基本理念だからね。

 しかしTPPで日本の共済や国民皆保険は崩壊するかも。そうして米国のようにお金持ちだけが上等な医療を受けることができ、庶民は安い料金内のテキトウな治療でサッサと病院を追い出されることになる。悲しいかな、米国の理念は競争してカネを儲けることだけ、相互扶助など想像もできないらしい。日本の制度を米国は見習ってほしいけど、残念ながら日本が米国に合わせることになりそうだ。

 団塊の世代や、その下のオレたちのような世代なら、かろうじてこの先なんとか生き延びられるかもしれないが、可哀想なのはもっと下の世代。30代、20代、さらに10代、そしてこれから誕生する新しい命にとって、アベコベミクスで日本は矛盾に満ちたとても辛い時代を迎えることになる。

 確実に言えるのは、日本は衰退するということ。何をしたって日本は弱体化する。そんな近未来の現実を直視しなければならないのに、常に支配し威張りたがる安倍晋三橋下徹石原慎太郎等の虚栄の強がりが日本を破滅させる。今こそ、そしてこれから求められるのは、弱者を自覚する勇気だ。それができてこそ本当の意味でスケールが大きくなれるし、世界の平和と安定に貢献できると思うよ。