熟睡の工夫

 快食・快眠・快便は健康の三要素。私の場合、快食と快便には自信がある。好き嫌いはなく何でも美味しく食べられるし、たまに便秘気味になるがほとんど毎日順調に排便する。しかし快眠については甚だ不満、熟睡して気持ちよく目覚めたことがほとんどない。

 深夜遅くなり、明日のことを考えて休まなければと横になるがなかなか眠れず、それでもいつの間にか眠りに入るが、逆に朝起きるのが辛くていつまでも布団に包まっている。いつもそれの繰り返しで全然スッキリしない。毎日の生活を送る中、眠りたくないのに無理やり床に付き、起きたくないのに無理して目覚めるとは、人生の苦しさを象徴している。

 夜の食事後しばらくすると急に睡魔に襲われ、そのまま床に入ると気持ちよく眠れるが、そんな時は必ず途中で目が覚め、布団の中だけで長い夜を過ごすことはできない。真夜中に起きて数時間過ごし、朝方になって再び床に入るから生活のリズムが完全に狂う。

 人生の3分の1は睡眠時間。この時間帯を気持ち良く過ごせないなら不幸だ。たとえ起きている時間がイヤなことの連続でも、もし8時間タップリ熟睡できるのなら、それだけで生きている価値があるというもの。だが、昼間にイヤなことがあるからこそ、なかなか眠れないことも事実だから不幸は倍増される。

 昼間の出来事は別にして、少しでも気持ちよく眠るためにはいろいろ工夫が必要だ。眠る前の深酒はかえって身体に悪いというし、難しい哲学書なんかを読むのも一計だろうがなんだか面倒臭い。もっと簡単で身体のためになる方法はないか。

 枕だ。枕を工夫しよう。長い間使っていた枕を思い切って変えてみる。フワフワだったり、小さなものはダメだ。頭の位置が高過ぎても低過ぎてもダメだ。やや固めでちょっと大きめで、頭と背筋が真っすぐになるのがいい。だが、自分にあった枕を探すのは意外に難しい。

 ちょうどいいと思われる枕を買った。前の物よりマシだが、まだなんとなくシックリしない。座布団なんかで高さ調整しながら試してみる。快眠を得るにはいろいろ苦労することを思い知る。