6月を振り返ると

 6月といえば梅雨の季節、「雨」や「紫陽花」をイメージする。こちら金沢では例年より少し早めの9日に梅雨入り宣言。ところがその後、雨はほとんど降らず連日好天がつづいた。温度は25℃前後、ときどき27〜28℃とやや高い日もあったが湿度が低めだったので過ごしやすく、まるで5月の初夏がそのまま6月一杯まで延長したかのようだった。

 一方、西日本ではずっと梅雨空に覆われ、特に九州、四国、近畿の太平洋側では大変な雨量で大きな被害が出た。梅雨に入ってから、日本海側の北陸から東北にかけては晴れマーク、逆に西日本の太平洋側では雨マークばかり、日照時間に関しては冬の天候がまるで正反対になったかのような6月だった。

 北海道を除く(最近はそうでもないらしい)全国が梅雨に入る季節のはずだが、西と東とでこんなに極端な違いが出たのも珍しいのではないか。本来北陸や東北に降るはずの雨までが九州や四国に集中的に降り注いだ感じだ。

 晴れがつづいて洗濯物が乾くだけでなく、傘を持たずに散歩に出かけられるのでウレシイとばかり言ってはいられない。梅雨は梅雨らしくないと、北陸や東北は米どころだから雨の量が極端に少ないと影響が出るだろう。

 数日前だが、近所の橋の上から下を見ると、川が流れず池のような水溜まりになっている。淀んで浅くなった水中を大小のたくさんのコイがかろうじて泳いでいるのを見かけた。このままでは干涸びてしまう。心配になり市役所の環境課へ電話すると、河川の管理は県の土木課で担当外だが連絡してなんとか対処するという。翌日、川の状況を見ると雨はまったく降らなかったが水量が多少は増えて流れができている。夜のあいだに上流から放水して調節してくれたのかもしれない。

 本日7月1日、久しぶりに雨が降り、雨粒をはじく紫陽花がより美しく映える。そして、夜9時から大飯原発3号機の再稼働が世論の動向を無視していよいよ始まる。6月29日、首相官邸前ではツィッターフェイスブックを通して人が集まり、車道を埋め尽くすほど人々が溢れ反原発を唱える大集会となった。人数は10万単位となり反原発運動は「紫陽花革命」とまで言われるようになる。「紫陽花革命」という名称は悪くない。