「楽天」というプロ野球チームと親会社

 プロ野球パ・リーグ楽天東北楽天ゴールデンイーグルス)が健闘している。交流戦以降は7勝1敗1分けと好調。現在(7月3日)34勝31敗3引き分けで3位だが、2位の日本ハムには1.5ゲーム差、首位ロッテには4.5ゲーム差まで迫り、クライマックスシリーズ出場どころかリーグ優勝も夢ではない。

 将来性を秘めた若い選手が中心の楽天イーグルスは魅力的だ。昨年のドラフト2位で入団した18才高卒ルーキー釜田佳直投手を筆頭に、同じく4位入団の岡島捕手など、近年のドラフトで指名された選手の活躍が目立つ。投手では田中、塩見、辛島、美馬。捕手の嶋。野手では銀次、桝田、聖澤。それら若手を、鉄平や牧田の中堅が、そして松井(稼)や高須のベテランが引っぱりフォローする。

 2005年に新規参入したプロ野球チーム楽天。若さゆえに失敗も多くハラハラするが、そんな荒削りなチームが今後どのように成長してゆくのか非常に楽しみである。現監督は4人目の星野仙一。ヘッドコーチが田淵幸一で、星野・田淵のコンビに疑問府?は付くが、投手コーチが佐藤義則なので大丈夫だろう。ダルビッシュ有田中将大を育てた佐藤コーチに育てられる釜田佳直などは恵まれてる。

 さて、そんなプロ野球楽天の親会社はIT企業で有名な三木谷浩史社長の楽天株式会社だが、この7月から「社内公用語英語化」が始まったらしい。英語が話せないとグローバル化社会では生き残れないと判断、社員同士の私語以外、業務においては英語のみで会話となった。

 ビックリ仰天。そんなバカな。日本国の日本人が、日本の会社に勤めながら、なんと日本語が話せない。三木谷さん気が狂ったんじゃないか、どうかしてる。こういう方針をうち出す本音には英語こそが世界共通語、日本語など消えてもかまわないと思っているのか。

 ここには多様な文化を認め合う真のグローバルな意識は欠片もなく、英語に支配され、ITの総本山である米国に魂を売る奴隷根性しか見えてこない。楽天がもし本当に世界企業に成長したいなら、むしろ自国の日本語をもっと大切にすべきだし、日本語だけでなく世界中の多言語を尊重し、誰もが自由に意思疎通ができる自動翻訳機の開発にでも邁進した方がいい。

 IT関連だけでなく、金融事業を拡大して支配欲に捉われ文化を蔑ろにする――そんな企業は尊敬されず成長しない。いずれイーグルスは売却され、やがて東北楽天ゴールデンイーグルスは、〇〇イーグルスという別名に変わるかもしれない。