ちぐはぐ

 ついに緊急事態宣言が発出された。今のところ主な対象地域は東京や大阪などの大都市圏(本日13日、石川県でも緊急事態宣言)。しかし、状況により徐々に全国に拡大されることは間違いなく、そして各地方は最終的にその地方の首長が判断を下すことになる。責任を負いたくない国と地方、まるで「責任回避」を競ってるかのようで見苦しい。

 私の地元石川県も新型コロナウイルスの感染が一気に拡大。昨日の段階で金沢を中心に既に113人、地方でこれはちょっと多過ぎる。それでも今現在は前段階、日本では本当の山場はこれから。いったいどうなるのか、深刻にならざる得ない。

 それにしても、補償があやふやなままの緊急事態宣言は順序が逆だ。国の危機管理の脆弱さが社会全体を一気に奈落の底へ突き落とす。私たちは分かったはずだ。本当の国防とは、殺人兵器で重装備することじゃなく、イザとなった時、底辺の弱者を即救済できるかどうかのシステムなのだということを。

 安倍政権のこれまでの新型コロナウイルス対策は「ちぐはぐ」の一言。これはウイルス発生当初から全然変わらず、タイヤモンドプリンセス号の初期対応に失敗したことが大きい。

 その後の取り組みは、安倍総理のスタンドプレー、締めるべき時に締めず、あまり効果がないことに多額の税金を使い、他国に比べ極端に少ないPCR検査、中央と地方で意思疎通はバラバラ、感染者数が急増加しても対応に一貫性がないため宙ぶらりん。特に、東京オリンピック開催に重点を置き過ぎて、新型コロナウイルス対策が後手に回ってしまったのは失敗の極み。「やってる感」のパフォーマンスばかり見せて、まさに「ちぐはぐ」。

 こんな無責任なトップに率いられる日本のお先は真っ暗。医療崩壊だけでなく、中小零細企業の倒産、小規模店舗の連鎖的閉店で、感染者と併せ自殺者も急増するかもしれない。損失補償が十分できないなんて、アベノミクスの正体が暴露された。

 それでもいつの日か、必ず終息するだろう。しかしその時「コロナが悪かった」で済ませてはいけない。悲惨な戦争は、戦争を起こした人間が悪いに決まってる。「戦争が悪い」で済ませられては殺された人々は浮かばれない。病原菌の災厄にも人災の部分が多々あり、政府の政策には常に批判的な眼を向けていたい。