幻想の繁栄社会

 朝から暖かい日差しが降り注ぎ、辺りは静かで穏やか、新型コロナウイルスで世間が騒いでいるのが嘘のようだ。しかしその感染拡大は留まることを知らず、大都市圏だけでなく、地方都市でもその影響は顕著、感染者数の爆発が懸念される。私の地元金沢でも昨日まで43人へと急増加した。

 おそらく実際の感染者は報道されてる数字より、少なくともその10倍は存在するだろう、いや100倍にも膨らんでるかもしれない(なにしろ日本は検査の数が少ないので)。

 4月中に開催予定の催し物は中止か延期が次々と発表されてるが、5月以降の~祭りや~大会などはまだ予定を外してないのがほとんど。しかし新型コロナウイルスがいつ終息するかまるで分からないし、日本のピークはこれからだ。

 金沢では6月初めに開催予定の「百万石祭り」は中止の可能性が高い。向こう一年間、おそらく全国のほとんどのイベントは中止に追い込まれると思う。今年に限って、プロ野球もサッカーJリーグも試合は無理じゃないか。

 罹患しても8割が無症状か軽症で気づかないというから、私も既に感染者の可能性はある。時間の多くを家で費やす私だから安全といえば安全だが、しかし運動を兼ねて買い出しにスーパーへ出かけたり、銭湯や図書館にも行ったりするから、いつどこで保菌者と接触し感染するか、あるいは他者に感染させるか分からない。

 政府の対応を見る限り、もう手遅れのような気がする。医療や補償の体制がまったく構築されていないことが明らかとなり、経済大国とは幻、日本の繁栄は砂上の楼閣に過ぎないことを新型コロナが炙り出した。具体的な補償が一切なく、お上が一方的に自粛要請しか出来ないことが何よりの証拠。

 患者数は増やしたくない、けれど経済的損失は最小限にしたい、そのジレンマで、政治も経済も、そして大多数の人々が悩み迷い苦しむ。こんな厳しい現実を経験するとは、戦後ほとんどの人が初めてだろう。しかし、だからこそ長期的な視野に立ち、コロナ終息後の社会をも描かなければ。

 災害や災厄に味をしめ陰で好き勝手したがる輩がいる。特に権力の中枢には虎視眈々と狙ってる奴等がいるかもしれず、刑務所社会にさせぬよう十分気を付けたい。やっとコロナが終息したと思ったら足首が鎖で繋がれていた、なんてことにならないように。