世界の根源は波

 ようやく初夏の陽気、しばらく好天がつづくだろう。外の景色を眺める限り静かで穏やか、表向き社会はなんとか無事を保っているが、しかしその裏側では生活に困窮し疲弊してる大勢の人々が息を潜める。新型コロナウイルスの緊急事態宣言は解除されても、本当の危機が社会全体に迫ってくるのはこれからだ。

 人々の間で新型コロナウイルス騒動も下火となり、社会全体が活気を取り戻しつつあるが、しかしそれは終息したわけでなく、あくまで経済優先を図った結果としてそのように見えるだけ。

 やや落ち着いてきたと思われる新型コロナウイルス、だがまた再び感染拡大し、第二波の到来は確実。長期戦なのだ。終息に近づいてるんじゃなく、まだ始まったばかりとの認識を人々は持った方がいい。今度また緊急事態が発令されたら救いようがなくなる。

 第二波が心配される最中、既に東京や北九州市ではその兆候が見られるし、真っ先にそれを経験したのが北海道で今現在も続いている。

 しかしながら、本格的な第二波はこの秋から冬にかけて起きるはずで、今騒ぎ始めた第二波はほんの序の口、小さな波に過ぎない。波には小さなものから大きなもの、さらに短期から長期までいろんな形で起こりうる。

 思えば世界は「波」で形成されているような気さえして、あらゆるすべての現象が「ゆらぎ」や「振動」など、波を根源に栄枯盛衰を繰り返しているかのよう。最新物理学の「超弦理論」は説得力がある、確かめようがないけど。

 今ちょうど、窓から見えるヤマアジサイが紫色の小さな花を幾つも咲かせて美しい。梅雨時に映える一般的な紫陽花と違い、ヤマアジサイは今が開花のシーズンなのか詳しく知らないが、ともかくどんな花でも目の前で咲いてくれるのは嬉しく、生きるに困難な雰囲気が充満する中、ホッとするひとときだ。こうして心も喜怒哀楽の波に揺れつづけている。