長寿社会を生きる

 聖路加国際病院名誉院長の日野原重明さんが亡くなった。享年105歳。私は日野原さんの思想信条を詳しく知らないが、ただ、死ぬ間際まで医療に携わり、医者として現役をつづけ、世に様々な問題を提起しながら人々を元気づけた日野原さんのような人を私は人間として大変尊敬する。

 日野原さんという人物の凄さを一言で言えば、やはり105歳まで元気で生きたということ。どこで何をしてもいい、善悪の価値観とは別に、とにかく元気で長生きすることは素晴らしい。

 ある意味、私の目標は日野原重明さんであり、領域はまったく違うが、私も元気でなるべく長生きしたいと思っている。私の性格や環境を考慮するなら、私は長生きするタイプであり、だからこそ大器晩成を勝手に自覚しつつ(笑)私は未来を見つめる。社会がどんなに変貌しようと、私は自分の将来がとても楽しみだ。

 現在、全国に100歳以上は6万2000人以上。日本は人口減少社会に入ったが、しかし今後65歳以上の高齢者は逆に増加、もちろん100歳以上の人口も益々増加することは確実。だからこそ、繰り返すが日野原さんのように100歳を超えても現役で活躍できるのは素晴らしい。

 施設に入居中の私の母親は98歳、現役で活躍してるわけではないが、先日会いに行ったところ、顔色は良くとても元気そうだった。日野原さんのような人を思い、私の母親を見る限り、人間の生涯の基準を私は変更したくなる。

 新聞の死亡欄を見ながら、90歳代後半で亡くなられた方に対して長生きしたなぁとの感情は湧くが、90歳代前半で亡くなられた方にはちょっと早いんじゃないかとさえ思ったりする。今現在、日本人の平均年齢は男女とも80歳代だが、今後私は100歳を基準に人間を判断するつもりだ。男女関係なく、100歳以下なら短命、100歳以上なら長命…と。