フランス新大統領

 フランス大統領選の決戦投票で中道無所属のマクロン氏が極右政党・国民戦線のルペン氏を大差で破り当選した。結果は予想されていたが、しかし安心するわけにはいかない。もし、マクロン氏の政策が頓挫すれば、次回こそ極右のルペン大統領誕生になる可能性が高いからだ。

 前回の社会党オランド大統領誕生の時を思い出す。保守的なサルコジ氏の後で、オランド氏は絶大な支持を得て大統領になったが、しかし期待は裏切られ、支持率は急降下、オランド氏はフランス国民の信頼を完全に裏切ることになる。その反動で極右の国民戦線の勢力が拡大してきたわけである。

 極右に対する反発はフランス国内ではまだまだ根強いとはいえ、オランドがダメで、マクロンもダメだと判断されると、本当に極右がフランスを支配、EUは崩壊する可能性がある。ただ、ルペンのような極右が健全な社会を築けるはずがなく、フランスだけでなくヨーロッパは再び大混乱に陥り、安定するまでかなりの長時間を費やすことになるかもしれない。

 マクロン氏の政治手腕が今後どのように発揮されるか未知数だが、それとは別に、今回の大統領選の結果からとても興味深い事実が世界に知れ渡った。

 フランス大統領史上最年少のマクロン氏はまだ39歳、しかし彼の妻ブリジットさんは64歳で、なんと25歳も年上である。出会いはマクロン氏が高校生の時、そしてブリジットさんは彼の先生で、ブリジットさんの娘とマクロン氏は同級生だったという。

 高校生のマクロン氏は先生のブリジットさんに一目惚れ、将来かならず彼女と結婚すると誓ったという。私はこういうエピソードを目や耳にすると断然嬉しくなり、さすが恋愛に大らかなフランスだと感心する。

 同じ状況を日本で想像しようとしてもなかなかできない。先生と生徒との恋は不道徳とかで世間から非難されるのがオチだろう。性別、年齢、年の差、職業…そんなもの恋愛にはまったく関係ないのだ。恋愛は人生の全てではないが、それは素晴らしいもの。生きている間にどんな形でもいいから(片想いで十分)大恋愛すべきである。