囚人になりたいの?

 今年の桜、開花した後天気はしばらく冷え込み、おかげで花弁は普段より長持ちして見応えがあった。地元の桜も散って、次はいよいよ眩しい新緑の季節の到来、そして市内の至るところでツツジが咲き誇るのを見ることができるようになる。

 ここ数日、朝から澄んだ青空が広がり雲ひとつなく爽快で、朝の起き始めはまだちょっと肌寒く感じるものの、日中に気温はどんどん上昇、最近は20℃前後で推移している。日曜の午前中、静かな環境の下、窓越しから青空を見上げながらお茶を飲むのは気分が落ち着き、贅沢な一日の予感がしないでもない。

 さて、そんな21日の日曜は金沢市議会選挙の投票日。さっぱり盛り上がらず、公示後も選挙期間中とは思えないほど静かだったが、しかし候補者が並ぶ立看板を見ると、かつて国会議員を務めたこともある意外な人も立候補しており、非自民系のその候補者を応援したくなった。

 金沢市議会選挙の結果が今朝(月曜)明らかに。二週間前の石川県議会選挙では最低の投票率だったが、市議会選挙でも投票率は最低を更新(約36%)。世間は大型連休を前に浮き足立ち、選挙への関心など全然なかったということか。

 前回も似たような記事を書いたが、投票率がどんどん下がり、大勢が選挙に無関心になる状況は、為政者たちにはこれほど都合がいい状況はなく、おとなしい国民を益々統制しやすくなる。国民の多くを安い賃金で何とか食わせ、最低限の生活を維持させ、そしてたまの連休にレジャーを楽しませてあげればよいだけのこと。

   社会の刑務所化は確実に進行している。そしてより深刻なのは、そんな刑務所へ安心で安全だからと大勢が自ら進んで入りたがる心境に陥ってしまうこと。

 刑務所の内と外の決定的違いは、それがどんな刑務所であろうと収容される囚人には所長を選ぶ権利はないが、しかし刑務所の外側で暮らす人々には、地域の首長や議員を一定期間だけ誰がふさわしいかを自らの意思で選べる権利を持っていること、すなわち主権在民。その大切な権利を放棄、すなわち選挙で投票を棄権することは囚人の仲間入りを目指すに等しい。囚人に自由はない!