身近に横たわる深刻な問題

 悪い予想が当たり、先週の石川県議会選挙、投票率は過去最低の44%まで落ち込んだ。それにしても、およそ6割の人が棄権した選挙に果たして意味があるのだろうか。結果は自民党保守系の圧勝で情けない限りだが、結果以上に私は棄権した6割の住民に対して情けなく思う。

 さらに、それ以上に情けないのは、じつに県内約1/3の自治体が無風で選挙自体が実施されなかったことだ。これはもう住民が権利を放棄し、私たちの民主主義が根幹から腐っている証拠である。

 「もう、どうでもいい」と流されるまま生きるとしたら、それこそ権力の思う壺、為政者は好き勝手ができてしまう。問題意識を持てない人々の増加は人間社会に深刻な状況を産み出す。彼等の大半は今度の大型連休の日程だけで頭が一杯なのかもしれない。政治にはまるで無関心、身の回りの環境を自分で考えない操り人形、そんな人生のどこが面白いのか。

 市区町村は身近な地方自治体だから私たちの生活に直結しており、ある意味国政より関心を抱くべきだが、じつは、もっと身近な存在として「町内会」がある。私は町内会の役員を二年間勤めて本当にいろいろ考えさせられた。

 現状の町内会も様々な問題を抱え、改善すべきことが沢山ある。まず、役員が男性ばかりというのが、その中でも大きな問題の一つで、町内会の是非は別として、もっと女性が会長や副会長の任務に就いた方がいい。国や県から市区町村の議会まで、女性議員があまりに少ない現状は、じつは身近な町内会の役員に女性が極端に少ない事実と大いに関連がある。

 一方で、なぜか各町内会には「婦人部」が存在し活動してるようだが、こんな部はまったく必要なく、男性と共に協働すればいいだけのこと。「婦人部」なんて昔から引きずる女性への差別意識が町内会で具現化されてるだけじゃないのか。

 どの分野でも、今も相変わらず女流作家とか女流棋士とか「女流~」の名称を多く目にするが、「男流~」の名称など見たことがない。町内会に「婦人部」はあっても「男子部」なんてない。私たちはもっと疑問を抱き、問題意識を共有すべきなのだ。