個と全

日本とか、石川とか、金沢とか、地元にばかりこだわるのはマズイ。
狭い範囲にばかりこだわっていると、人間そのものが中途半端で矮小になる。
どうせなら、もっと地球に、もっと世界全体にこだわるべきだ。
インターネットでグローバルな時代、
だれもが総合的に判断し、決断するしかない時代になったのだから。

家族とか、友人とか、恋人とか、そして自分自身にこだわりたい気持ちは分かる。
それらにこだわるのは人間として当然のことだし、誰だってそうだ。
しかし、あえて言うなら、こだわり方が徹底されていないのだと思う。
自分にこだわるといっても、社会の最少単位である個人にまでこだわりが及んでいるか?

「自己」へのこだわりが「個」へのこだわりにまで進化していないのだ。
「自己とは個である」との認識がまだまだ足りないのだ。
もしそれを自覚したとき、そのときこそ数えきれない多くの個人と自分とが一体となり、
「個」とは、じつは「全」であることが認識される。

最少の個は、どんなに分厚い国境や、地域や、民族や、宗教をもすり抜ける、
それは何もかもを超える広大なる無限の存在となる。
広大無辺な宇宙が、じつは最小の素粒子から成り立っているように…。