夏至が過ぎ

夏至が過ぎ、梅雨も終われば、いよいよ本格的な夏を迎える。
強い日差しに照りつけられ、夏休みやお盆で観光地や故郷は賑わう。
人々は開放的になり浮かれるのがこの季節。

だが一方で、なんとなく寂しさを感じるのはなぜだろう。
ああ、これからはだんだんと陽が短くなってゆく…
との思いが、やはり気持ちの中でどうしても沸くからだ。

人間の感情とは不思議なもので、
幸福の絶頂のときには不安がよぎり、
不幸でどん底のときだからこそ希望の光が見えたりする。

幸福は不幸、不幸は幸福。明は暗、暗は明。表は裏、裏は表。
強は弱、弱は強、美は醜、醜は美。大きいは小さい、小さいは大きい。
これらはすべて真理。あらゆる存在は正反対を併せもつ。
事実が正説ならば、真理とは逆説なのだろう。

肉体は生から死への道をたどるが、精神は死から生へと転化できる。
肉体は事実の世界だが、精神は真理の世界。