消費税増税が始まった

 4月1日からいよいよ消費税8%がスタート。いつも通う近所のスーパーでは、黒色で現物の値段を、赤色で8%税込みの値段を、それぞれ一枚の値札に上下表記して品物を並べてある。消費税が実感できる仕組みだ。

 3%の消費税が導入されたときや、5%に消費税が上がったときも、最初は二段表記で消費税が分かるようになっていた気がするが、時間が経つうちなぜか内税となり「消費税込み価格」の値札となってしまった。消費税込み価格に慣れると商品を購入したとき税金を払っているという感覚がすっかり薄れる。

 980円+消費税と、980円(税込み)では、同じ980円でもまったく性質が異なる。多くの中小零細企業はわずかの顧客を確保するため簡単に値上げできず、これまで5%の消費税を抱え込んできたが、8%の消費税でどうするつもりか。もしこれを内税扱いにして抱え込んだら深刻な死活問題となるだろう。8%がどんなに大きいか、生活費が吹っ飛んでしまう。

 まったく不公平な消費税だ。低所得者になればなるほど負担が増える逆進性だけでなく、輸出品には消費税がかからないため、外国に渡るまでの国内で製造される流通段階における消費税がそっくり還付されるという仕組みから、輸出で儲ける大企業は消費税がどんな高くなろうと痛くも痒くもない。経団連など消費税を煽る理由がよく分かる。ところが、そこのところをNHKなどメディアはまったく報道しない。

 消費税だけじゃない。社会保険料も医療費も上がる。納める年金額は高くなる一方、もらえる年金額は減る。庶民にとって毎日の生活が益々苦しくなるばかり。来年度以降、また自殺者が増えなければいいが…。

 値段を黒と赤の二種類表記することで買い物客に消費税を訴えかける近所のスーパー。だがいつまでこの表記がつづくだろうか。いつの間にか「消費税込み価格」で統一されてしまうかもしれず、そしてしばらくするうち、経営難に陥り閉店の知らせが届くことになったらどうしよう。そうならないことを願わずにはいられない。