自堕落な正月

 「一年の計は元旦にあり」とは誰が言ったか知らないが、年の始めにきちんと誓いや計画を立て実行しないと丸一年無意味になりかねず、つまりそれほど最初が肝心ということらしい。何となく分かるような気もするが…。

 確かに、若い頃は元旦にいろいろ誓いや計画を立てていた。だが、それら年間を通して実行できたことは一度もなく、何度か年を越すうちに出来もしない誓いや計画を立てることは止めていた。

 いつもは早寝する人も、大晦日だけは夜更かしするし、年が開けてすぐの0時過ぎには初詣に出かけたくもなり、明け方まで起きている人は大勢いるだろう。よって1月1日は時間が大幅にずれるから、普通の生活を送ることができずに乱れるのが当然。だから年始からいろいろ誓いや計画を立て実行することなどできるわけがない。

 今度の大晦日から元旦の朝方にかけて私もずっと起きていた。街中に出ると、酒に酔っているのか多くの若者たちが奇声を上げて繁華街の一角はとても賑やかだった。曇天で星は見えなかったが、金沢ではめずらしく風もゆるやかで比較的暖かな夜だった。

 1日の夜から2日の朝方にかけて雷が轟き空は荒模様。とはいえ、正月三が日は青空も見え全体的に穏やか。今年も金沢の正月には雪がまったくなく、あたり一面真っ白だった若い頃の記憶が残っているからちょっと信じられない。予報では今冬は雪の量が平年より多いとのことだが、これから一月から2月にかけて冬の厳しさが増すのだろうか。

 正月の三日間、昼間から酒を飲んで雑煮を食べてばかり。睡眠もタップリ取って、前向きなことは何一つせず、自堕落な時間を過ごした。これでいいのだ、と自らに言い聞かせる。だからか「一年の計が元旦にあってたまるか」との思いが強い。

 4日目を迎え、軌道修正することに。5日目(今日)から普段通りに戻るとしよう。私は自らに誓いや計画など立てない。やるべきこと、やりたいことなら一杯ある。それらを自分のペースで少しずつ消化するだけだ。