落雷を観光資源に?

 この季節、全国の天気予報を見ていると、金沢と新潟はつねに青色の傘マークで、太平洋側のほとんどが橙色の太陽マークだ。こうなる理由は分かっているが、どうしてこんな極端にいつも同じ空模様なのかと、あきれるというか、むしろ笑ってしまう。

 連日の、雨、アラレ、ミゾレにはホトホトうんざり。太陽が照りつづける太平洋側が羨ましくてしかたない。洗濯物が乾かない程度ならガマンできても、外に出るのが億劫となり運動不足になりストレスが溜まる。冷たく、寒く、暗く、これでは気が滅入るのがふつうで、本当になんとかならないかと空を恨む(毎年、同じことを書いているが…)。

 雨やアラレやミゾレだけでも嫌だが、さらに雷というやっかいな代物がついてまわる。金沢にはいろいろ誇れる全国一のものがあるが、残念というか(いや、むしろ自慢していいかも)落雷の数でも一番なのだ。

 昼も夜も、容赦なく閃光とともに雷鳴が轟く。ピカッ! ドカン! ゴロゴロゴロ…、扉や窓枠がガタガタガタ…と大きく震えて、まるで甦ったゴジラが炎を吐きながら突進してくるかのよう。我が家の骨董品のような建物など破壊されそうで、それほど凄まじい。

 そこで、ふと思いついた。このカミナリを観光資源として活用できないか。怖いものを見たり聞いたりしたがる若い女性をターゲットに、ホテルの一室に集まってもらい、一日中カミナリを堪能していただくという企画があったら面白いかもしれない。

 ホテル内は安全で暖房も効いているから窓のカーテンを一杯に開け、お酒でも飲みながら一晩中カミナリの光りと音を楽しんで(怖がって)もらおう。かなり受けるかもしれない。もし、予報が外れてカミナリがそれほどでもなかったなら半額返上することに。これは、冬の日本海側、特に落雷日本一の金沢にしかできない貴重な体験となるだろう。

 しかし、そうは言ってもカミナリは火事や停電などを発生させる。カミナリで金儲けをするなんて不謹慎・不道徳というお叱りを受ける可能性大である。やはり無理かな。

 とはいえ、将来的には社会の倫理観も変化し、スポーツ鑑賞に飽きた人類は安全地帯にいながら、大自然の災害による破壊を堪能することに楽しみを見いだすかもしれない。