餃子の王将が閉店

 「餃子の王将」(本社:京都市)金沢支店にて、店内で撮影した丸裸の男性たちがカウンターにズラリと並ぶ写真が流出。最近のネットやテレビで大きな話題になった。

 どうなるのかと顛末が気になったが、とうとう金沢支店は閉店。地元なので散歩がてらに繁華街に構える店の前を通ると青いビニールシートが入口のガラス全面を覆い、世間を騒がせた詫びとともに閉店を知らせる紙が張ってある。

 ところで私は、実際に店が閉店したことで妙な違和感を抱く。

 確かにあの写真は下品だし、センスがなく、ポスターとして使用するには最悪の部類だろう。しかしこれは「男変(オカワリ)」というホストクラブのためのもので、餃子の王将の名称は隠し、変わりに「OKAWARI」と店の名称がアルファベットで入っている。(店の名称と食事のオカワリとをダブらせたつもりらしく、だから大衆中華料理店を利用したであろうことはすぐ分かる。)

 いくらポスター撮影とはいえ、飲食店内で何人もが裸になるのは不道徳だから、店としては謝罪すべき。そして、しばらくのあいだ謹慎をして、時期が来たら再び営業を再開すればいいと思う。この件に関し、食中毒で1週間ほど営業停止させられるよりも罪は軽いのでは、と私は判断する(食中毒で死者を出したら別だが)。

 ここ最近における、スーパーやコンビニでの従業員による悪ふざけ写真が問題になり、その延長に「餃子の王将」事件があるわけで、気になるのは世間からのバッシングによる、一種の潔癖主義のような雰囲気が全国的に蔓延していることだ。

 何もかもが右に倣え。東京オリンピック開催に賛成が当然であるかのように、さらに東京に決定すると誰もが喜ばなければならないかのように、メディアが煽りに煽る。なんだかおかしい、異常だ。

 世間に多少の迷惑を掛けたのであれば丁寧な謝罪で十分。閉店は行き過ぎであり、そうするように追い詰める世間の雰囲気こそを問わねばならない。窮屈で息苦しい世の中にどんどん進行してゆくような気がする。