すきま風からとどく声

外では嵐が渦巻く
もうずっと前から嵐が叫んでる
でも部屋から見る窓の景色は青い空と白い雲
いつもの夕焼けがあしたも晴れを約束してくれる
星のまたたきは懐かしい昔からの便りのようだ

 ただひとつ自分だけの自分にしかできないことが
 部屋の中にあった
 それを成し遂げて後は惰性だけがのこる
 なぜかさびしく哀しい
 つぎに何をしていいか分からない
 どうでもよくなり消え去ってもいい
 本当はやるべきことがたくさんあるはずだが
 どれもこれもそれほどのことじゃない
 ほとんどはだれかが代わってやってくれるだろう

地平線が陽光に照らされる
すがすがしい静寂の朝がいつものように訪れる
どこからか声が聞こえる
微かな声は部屋にこもり噂のように充満してゆく
(窓をあけなさい)
外では嵐が渦巻く
もうずっと前から嵐が叫んでる