早起きは気持ちがいい?

 「早起きは三文の得」の諺があるように、早寝、早起きは健康に良いらしいとは昔から言われてきた。だが一方で、毎日早起きして確実に早死にした人もいるに違いなく、落語や漫才で笑いの種にもなっている。早寝、早起きが人間にとって本当にいいのかどうか分からない。

 新宿歌舞伎町でBARを経営していたとき、夜になると出勤して朝に帰るという、完全に昼と夜が逆転の生活を10年以上つづけた。元々朝方が苦手、夕刻になり眼が冴えてくるタイプの私には、BARという業種は仕事内容とは別に時間的には向いていたのかもしれない。それ以前のサラリーマン時代のとき、なかなか起きられず朝食抜きはしょっちゅうだったから、脱サラして夜の商売に専念すると、かえって健康になったような気さえする。

 今現在、母親の生活リズムに最低限合わせているので、深夜遅くまで活動することはなく、0時ちょっと過ぎに就寝、7時〜7時30分の間に起床という、じつにまともな時間の過ごし方である。ゴミは指定日の朝に出さなければならず、それも含めていつまでも寝ているわけにはいかない。そのゴミ出しだが、河川敷の指定場所までかなり距離があり、朝方に川の流れを見ながら歩くのは悪くない。

 金沢には兼六園という有名な庭園がある。じつはその兼六園、朝の5時頃から7時まで毎日無料解放していることを帰郷後しばらくしてから知った。夜の兼六園を覗いたことはあっても、朝早くに出向いたことはなく、せっかくだから、いずれ暖かい季節のうちに朝の兼六園を見学してみようかと思う。人気のない名園を静かに散策するのは気持ちが良さそうだ。

 それにしても、未だ朝6時前に起床したことはなく、たとえ眼が覚めても身体が言うことを聞かず、そのまま再び眠りに入ることは分かっている。それでもなんとか、一度でいいから朝の5時頃に起床して散歩に出かけたい。一度試してクセになり、その後に早起きをつづけたらどうしよう。早起きするには、どうしても早寝せねばならず、それで想像の翼が羽ばたく夜の時間帯が削られるとしたら、逆に精神衛生の面で影響が出るかも。