部屋のレイアウト変更

 四畳半の私の部屋には、大きめの机とその脇机、低い中くらいのテーブル、椅子が二脚、それら家具と共に、デスクトップパソコンとプリンター、テレビモニターとレコーダー、さらに電話機、電気スタンド、電気ストーブ、そして幾つかの収納ケース、それらが主な品々で部屋を占領している。その他、壁をくり抜いた棚には書籍やDVD、収納ケースには仕事道具が入り、ポスターとカレンダーが壁に掛かる。片隅には小さなゴミ箱。

 狭い部屋だが、パソコンを操作したり、映画を観たり、本を読んだり、音楽を聴いたり・・・一人で過ごすにはなんら問題ない。ただし、エアコンは無く冬はかなり寒い。電気ストーブだけでは全然暖かくならないが、高齢の母親が石油ストーブを幾つも持つことを嫌がるので(母親の部屋には石油ストーブがある)我慢している。いざとなればカイロを使用するので耐えられないほど寒いわけではない(逆に、夏の暑さはハンパじゃない)。

 ところで、机や椅子や、電気製品や、文房具など、大小さまざまな物に人間の生活は囲まれているが、どんな物でも一度特定の場所に固定すると、その後それらはほとんど移動しなくなる。大概はそのままの状態で掃除がおろそかになり、いつの間にかホコリも溜まる。要は動かすのが面倒くさくなるということ。

 車を運転したり、旅行したり、そんな遠出のできない私にとって、映画や読書や音楽こそが癒しだが、あるとき部屋の雰囲気を急に変えてみたくなる。四畳半の狭い部屋の机や椅子や収納ケースを並べかえるだけだが、机に乗ったパソコンやテレビモニターの位置も変わるので、変更の前と後では部屋の印象がまるで違う。

 同じ部屋の同じ品々に過ぎず、新しい物と交換するわけでもないのに、ちょっと置き場所を変えるだけでなぜかとてもサッパリした気分になる。移動するとき溜まったホコリをついでに掃除するから尚更だ。この変化はとても新鮮で、人間には気分転換が必要とつくづく思う。諸事情を抱え、思う存分行動できない人には部屋のレイアウト変更がお薦め。直近を変えることで、遠い世界の見方も変わる・・・。