無人島に漂流して

 たったひとり、無人島に漂流する。狭い環境の中、幸いにも最低限の衣・食・住は確保でき、なんとか命を繋ぎとめることはできそう。だが、それだけで本当に生きていることにはならない。この限られた世界で何かをしなければならない。何をしたらいいのか。

 棒きれを持って波打際に言葉を連ねる。波が繰り返し押し寄せては、せっかく書いた言葉を消し去る。それでも書きつづける・・・。

 上のような情況を想像してみた。

 言葉や書くことは手段だ。それらは目的じゃない。目的を簡単に言葉にすることなどできない。目的が言葉に変換された時点でそれは安易なものになりかねない。しかし、言葉自体や書く行為は手段として重要であることは間違いない。

 ブログを始めることにする。私のブログなど、インターネットの大海に浮かぶ、ひとりだけで生きているちっぽけな島のようなものだろう。

 ところで「点と面」とは人間と世界を抽象化した表現だ。小さな存在である点のような人間と、そんな多くの人間を支える大きな面としての世界。

 球体の表面に存在する無数の点。球体面に中心点は存在しないが、逆に存在するすべての点が中心と呼べるだろうし、一方ですべての点が果ての位置にある、とも言える。

 もっとも小さな「点」からの眼差しと、底深く広がる「面」からの視座、その両者から見て、聞いて、触れて、考えることがなによりも大切なのだ、と自らに言い聞かせたい。

 とはいえ、あまり堅苦しくなってはいけない。日々における人間や世界の出来事について、さらに自分が夢想する異次元の営みについて、それらを気軽に書き記すことにしよう。

 どうぞよろしくお願いします。