犯罪はいつの時代でも社会に蔓延り人々を悩ます。時代の変遷と共にその中身も変わりつつあるが、今現在、その主流は一言で言えば「詐欺」だ。コンピュータとインターネットの発達史は、ある意味、いかにして善良な市民を騙し金を巻き上げるか、その手段や方法の進化も同時に示すかのようである。
一昔前まで、テレビやラジオ、新聞や雑誌などが広告媒体の中心だった。しかし、今やネット上の広告費は既存の媒体を上回り、それを利用して詐欺は益々巧妙な仕掛けを張り巡らせている。投資詐欺だけじゃない。
例えば、ネット記事の下に表示される幾つもの「開く」や「次に」とか、有名芸能人が不幸に見舞われたかのような視聴者の興味を唆る告示とか、フェースブック上でお知らせやメッセージの通知を装うとか…。
それら上記のどれでもついクリックすると、突然大音量と共に「あなたの電子機器はウイルスに感染」の画面に変わり、対策や改善のため指定の番号に電話することを誘導されカネを奪われる仕組み。慌てることなく、システムを終了させ再起動すれば正常に復帰する。
ところで、私の住居はほぼ街中の住宅密集地、車が通れない狭い道が曲がりくねった場所に構える。だから普段からあまり目を付けられることはないが、たまにチャイムが鳴るので、玄関を開けると宗教の勧誘や商品の売り込みと遭遇する。トラブルに巻き込まれたくないので丁寧にお断りしている。
じつは先々週土曜の20時半頃、チャイムがなったので出てみると、若い建築作業員のような人から「あなたの家の屋根が壊れてる」と突然告げられた。昼間お邪魔したが留守だったので再度お知らせに来たと言う。その人はこの近くで家の解体作業をして、私の家の破損した屋根が見えたらしい。
妙な話だ。夜遅い時間帯に来ること自体変だし、第一私は一日中家に居たと告げると、相手は少し狼狽える。ウソをついてることはすぐに分かった。言葉のやり取りをしばらくしてから相手は退散したが。
大問題になったビッグモーター事件のように、修繕を装い高額な請求をするつもりだったのか、どんな人間が住んでるか様子を探るためだったのか、何とも怪しい。ネット関連だけでなく、昔ながらの詐欺も横行しており、要注意である。