我慢の時代

 自国第一主義をトランプ次期米国大統領が声高に叫んでいる。今後しばらくは保護主義的傾向が世界を覆うかもしれない。ヨーロッパやアジアでトランプと似たり寄ったりの人物が徘徊して、とても憂慮すべき事態。しかし、これも時代の流れなのだろうか。

 私はこんな時代の風潮にまったく賛同できないが、現実は受け止めるしかない。いずれ流れは必ず逆転すると信じている。今は我慢の時(我慢できるほど生活の余裕が続けばいいけど)だ。

 自国第一主義なんて前世紀の遺物に過ぎず、これからは「自立」第一主義を取るべき。自国第一を優先すれば周辺に軋轢を生み、格差・差別を増幅させる。しかし、互いの「自立」を認め合うならそれぞれの長所・短所を補いつつ尊重の輪が広がり、平等・対等の意識が成就されるだろう。

 米国やロシアや中国など、それらの大国は自国第一にこだわるあまり、矛盾を抱えたままそれが益々拡大し、いずれ内部分裂する可能性がある。実際、独裁的傾向が強まれば強まるほど、崩壊は確実に近づくと思う。

 それにしても、本来インターネットは人々の自由と平等を実現させる、すなわち個人の「自立」を促す手段となるはずなのに、今は、残念ながら他者への差別を煽る手段に利用されたりもして、まだまだ発展途上であることを実感。

 インターネットの歴史はまだ20〜30年ほど、まだまだよちよち歩きの段階で、人間と世界は、それの本当の上手な活用方法を未だ開拓できていないようだ。まだ50年先、少なくとも今世紀後半に入る頃までいろいろ試行錯誤するのだろう。ともかく、ITの進歩は誰も止めることはできず、人間社会と科学技術発展の調和を期待するしかない。