衆議院選挙がいよいよ明日15日(火)告示。自民党の裏金問題は曖昧なまま国民から批判される最中、27日(日)の投票日で果たしてどんな審判が下されるか。与党の議席が減るのは間違いないだろうが、現在の勢力図が大幅に変化するとは考えにくく現状が維持される可能性は高い。
一方、共闘が進展しない野党では立憲と共産の溝が埋まらず、今回の選挙で政権交代は難しい。共産党はほぼ全ての選挙区に候補者を立てるようだが、小選挙区で単独当選して議席増はおそらく無理だ。得票数による比例で共産党はどれだけ議席を増やせるか。
じつは、どんな選挙でも私は共産党の得票が気になる。それは日本の民主主義発展のため共産党の躍進はどうしても必要だと思うから。しかし実際、共産党の票はいつまで経ってもなかなか伸びない。
今のところ日本の政党では共産党が一番まともである。機関紙「しんぶん赤旗」で数々のスクープを連発、自民党による裏政治の悪行を国民に分かりやすく暴いてきた。ところが共産党の支持率は相変わらず3~4%で低迷、むしろ党員数やしんぶん赤旗の部数は減少しているのが現状という。
なぜだろう。なぜ、清く正しい政党に人気が出ず伸び悩むのか。生真面目過ぎて近寄りがたいとか、固いイメージで冗談も言いにくいとか、それら柔軟性の欠けた周囲への厳しい姿勢が一般大衆になかなか受け入れられないのかもしれない。
その他にもいろいろ要因はあるに違いなく、共産党も自ら過去を省みながら未来への展望を真剣に探ってほしい。私は共産党が抱える大きな問題の一つが、じつは党の骨格とも言うべき民主集中制の「集中」にあると思っている。
私にはかつて共産党員の知人がいた。彼はとても信頼できる人物だったのでよく世間話をしたが、当然ながら政治や共産党、そして民主主義についても話は及んだ。
その共産党員の彼が言うには「多様な意見も皆で方向を決めたからには皆で実行する」「一人はみんなのために、みんなは一人のために」、これが民主集中制であり、民主の集中は民主主義そのものと言う。彼の主張はいかにももっともらしかったが私は疑問を抱く。
民主集中制が民主主義なら、なぜわざわざ「集中」を付ける必要があるのか、「民主主義」と呼べばそれで十分ではないか。民主主義とは本来多様性を認める制度、多様性と集中は矛盾してないか?
長くなるので、この続きは、また次回としたい。