わが人生は悔いだらけ

 年末年始だからと別段気にしない私だが、それでもこの一年の自分自身を省みることは無駄ではない。いったい2014年は自分にとってどんな年だったろうか。

 世界情勢や日本社会の現状について評論家のように分かりきったことを書くつもりは毛頭なく、あくまで自分のことについてのみ語る。

 一言「悔いだらけ」の一年だったと言える。あれもしたい、これもしたい、と思いつつ実行できたのはせいぜい1/5、いや1/10くらいではなかったろうか。衣食住という生活の基盤に関することだけでなく、日々の雑事に振り回され、趣味や教養の世界に時間を充てることが十分できなかったことが本当に悔しいのだ。

 ところで、自分の人生を振り返り「わが人生に悔いなし」と断言できる人はどれほどいるというのか。成功者?と呼ばれた人たちが「良い人生だった」とか「もう悔いはない」と語るのをときどき目にする。そう言い聞かせて自らを納得させたくなる気持ちは分かるが、しかし本当に「良い人生」で「悔いはなかった」と心の底から言えるのか。

 人類の歴史が発展途上のように、一人ひとりの人生なんて歴史に翻弄されるちっぽけな一コマに過ぎず、早死にしようが長生きしようがどんな人生も発展途上であることにまったく変わりはない。

 考えてみれば、やりたいことがたくさんあるということは贅沢なこと。そのほんの一部しかできずに悔しい思いを抱けるとしたら、それはとても幸せなことかもしれない。

 何をしていいのか分からないまま途方にくれつつ人生を終えるのはあまりに哀しいが、さりとてやりたいことを十分成し遂げたつもりで「悔いはない」と結論づけるのもどうか。それは発展途上が終止符となり、逆に小さく縮こまるようでなんだか物足りない。

 だからある意味、何をしても、いつまでたっても、満足できずに中途半端なまま終わる人生こそが充実した人生かもしれず、最後の最後まで悔いが残る人生でいたいと勝手に思う私なのである。

 ちょっとカッコ良すぎるか? それとも単なる負け惜しみか?(笑)。