幻想に囚われる人々

 先週はいかにも梅雨らしい気候だった。静岡の熱海では土石流で大きな被害が出たし、九州や山陰では豪雨となり非常に危険な状況に陥った。

 しかし、今週半ばから一気に空模様は回復するらしく、全国各地の天気予報では晴れマークが連なり、たぶん梅雨明け宣言が各地で発表されるだろう。

 一方、新型コロナの緊急事態宣言が東京で再び発令され、今回で東京は通算4回目。結局、緊急事態という異常な状況下で五輪開催へ突き進むことになる。しかし、大会を境に感染が急拡大するかもしれず、デルタ株が特に厄介だ。

 感染爆発を恐れ、さすがにほとんどの会場は無観客に決まったが、IOCなど大会関係者やスポンサー関係者は別枠、彼らは観客として扱わないというからちゃんちゃらおかしい。今月末から来月初めにかけ、東京一帯は火に油を注ぐような事態になりかねない。

 首都圏で感染者が増加すれば遅れて必ず地方にも波及してゆく。現に金沢では一時感染者ゼロを記録した日もあったが、ここに来て再びじわじわ増えそうな雰囲気だ。

 それにしても、人はいとも簡単に幻想に囚われてしまうのだなぁ。言葉を変えれば、それは洗脳かもしれないし、マインド・コントロールと呼ぶのかもしれないが、とにかく人は騙されやすいということ。

 特に日本人の多くは「オリンピック」に幻想を抱き、それを「神聖で尊い祭典」であるかのように信じ込んでるんじゃないか。それに参加するアスリート達はまるで選ばれた高貴な戦士のように、批判の対象にすらならず、手厚い保護下に置かれてしまう。

 IOCは世界最大のマフィアであることが今回ハッキリしたが、大多数のアスリートはマフィアに操られる精巧な人形で、アスリートを応援する大衆は巨大刑務所の囚人に過ぎないというわけだ。