転換のチャンス

 もうジタバタしても始まらない、というか開き直るしかない。時間に委ね、自然に新型コロナウイルスの終息を待つしかないのでは…という気にさえなる。実際、私ができるのは、周りに注意を払うことだけ、いつもの生活を送ることしかできないのだから。

 しかし問題は、終息するまでどれだけ感染者が増え、亡くなる人はどれくらいになるのか、その中のひとりに私がならないことを願うばかり。そして、日本と世界の経済力はどこまで落ち込み、その後、どんな荒廃した風景を見ることになるのか…とまるでSFの世界を覗くかのよう。

 運良く私は普段のままの生活を送れるかもしれない。だが、いずれジワリジワリと困窮の波が襲ってくる。やがて、下手すれば明日の展望が見えなくなる事態に陥るかもしれない。

 新型コロナウイルス関連のテレビ報道を見ていたが、またすぐに消すようになった。普段からテレビをほとんど見ない理由のひとつとして、嫌いなタレントやコメンテーターを数多く目にするから。ネットの世界でも同様。だからネットも遮断し落ち着いた生活を送りたいが、さすがにネットまで目を塞ぐと情報がサッパリ入らなくなる。

 テレビとネットの違いはネットの方が選択肢が多く、その差はかなり大きい。選択肢の種類は重要な要素。ネットの世界は奥深くテレビより面白いが、しかし危険でもある。

 結局、何だかんだと言いながら、今のところ書物が一番為になる。テレビやネットでは勉強した気がしないのはそれが受動的要素が強く、対して書物は学んだ気がするのは、読書がより能動的な取り組みだから。自粛ムードが蔓延る現在、部屋でじっくり書物と向き合えるとしたら、ある意味チャンスかも。

 「禍い転じて福と為す」この際、人間の生き方や価値観が変わって欲しい。これまでは経済力が世界を支配して来たが、しかし、それの脆弱さを今回の新型コロナウイルスが証明した。これを機に人類は反省し、砂上の楼閣に過ぎない競争と富の上昇信奉から、底辺の基盤強化へと転換するべきだ。