新型病原菌で思うこと

 国内外の情勢とは別に、ここ数年間私の半径5メートル内でもっとも驚いたのは、それはある店のトイレに入ったとき、ドアを開けた途端、自動で便器の上蓋が開いたのを目撃した時だ。些細な事とはいえ、自動化はこんなところまで浸透していたのか、とちょっとビックリした。

 さて、新型コロナウイルスの勢いが拡大し、患者数や死亡者数がどんどん増加しているが、中国本土だけでなく、日本でも一気に蔓延する可能性が出てきた。いつか終息するとは思うが、それにしても厄介な事態。社会全般にかなりの影響をもたらすのは間違いなく、特に経済的な損失は相当大きくなるだろう。

 抗菌グッズが売れてキレイ好きになり過ぎた現在の日本、新型病原菌にとってこれほど絶好の繁殖地はないかもしれない。極端な清潔志向から日本はとても脆弱になり、免疫ができにくい体質になってしまった可能性がある。

 私の子供の頃は手が汚れたまま食べ物を口にすることなどしょっちゅう、小用の後も手を洗うことなど希だったから、それで逆に丈夫になったかも。私は少なくともこの十年間風邪など引いたことがないし、薬も「百薬の長」以外は飲んだことがなく、病気とは無縁の生活をして来た。それはとても良いこと、自分の健康に感謝している(もちろん、明日どうなるか分からないが…)。

 具合が悪くなれば病院で診てもらえばいい、そんな安易な気持ちではダメだろう。バランスの良い食事、適度な運動、そして知的好奇心、薬要らずは今後もつづけ、死ぬまで充実した生活を構築できれば幸せだ。国家予算の半分を医療関係に費やす日本の現状は異常、なるべく医者の世話にならない身体作りは一人ひとりの責任である。

 ところで新型コロナウイルスが中国を中心に猛威を振るう最中、一方で、米国ではインフルエンザが大流行、1万人以上(2万人以上とも聞く)もの死者が出てるらしい。だがこれの報道はほとんど目や耳にしないが、なぜなんだ?インフルエンザは当たり前の病気になってしまったからか。コロナウイルスも毎年のように発生すれば大騒ぎしなくなるのか。

 それにしても、便器の蓋が自動で開くのはちょっとやり過ぎじゃないか。便器の蓋くらい自分の手で開けようぜ。