紫陽花

 7月である。早くも一年の半分の月日が流れたわけで、それにしても5月が真夏のように暑く、6月の方が涼しかったとは驚くが、この調子だと7月と8月が冷夏になるとの長期予報は当たるかもしれない。

 夏至も過ぎ去り、季節は梅雨の真っ只中。6月の最終週に入った頃からようやく梅雨らしくなってきた。ところで、この季節の花はなんと言っても紫陽花。我が家の玄関の狭い領域にもヤマアジサイが咲いていた。

 「咲いていた」と過去形になったのは、今ではすっかり萎んでしまったからで、梅雨の盛り、街中ではいろんな種類の紫陽花が見事に開花してるのに、なぜだろう。まだ若木で十分に成長していなかったからだろうか。咲き誇る紫陽花の樹々を見ると確かに大きく豊かに茂ってはいる。

 我が家のヤマアジサイはまだ幼すぎるのかもしれず、また来年、さらに成長したときどれだけ咲くのか期待するしかない。

 季節ごとの花々を見るのは楽しいが、綺麗に整えられた鉢植えの花より、手入れもされず道端で咲く花の方に興味を惹かれる。紫陽花は世話などしなくても梅雨になればどこでも勝手に咲くイメージがあり、とても逞しい花だと思う。

 花びらの一つひとつはとても小さいが、それがたくさん集まることで全体の調和を図り見事に安定している。桜のようにあっという間に散ったりはせず、かなりの長期間咲き誇ってくれるのも嬉しい。紫陽花は見事だ。